犬は、人間にはない感覚を持ち合わせています。
研究者は、犬には地震を予知できる感覚があり、科学的な装置が感じとるより前にわかると言います。
たとえば、近年起きたサンフランシスコとロサンゼルスの大地震の数日前には、家出をした犬が急に多くなったと報告されています。
ある犬の専門家は、このように突然飼い犬が集団脱走をおこなったのは、犬が逃げだしたくなるなにかおそらく間近に迫る大変動を感じとったからだと指摘しています。
犬には自分たちのまわりの磁場の変動を感じとれると言う科学者もいます。
またべつの科学者は、彼らの鋭敏な耳が、地震の前に地中で圧力が高まり亀裂が入るかすかな音を聞きとるのだとしています。
地震だけでなく、竜巻や暴風の接近に人間が気づくずっと前から、犬たちが逃げたがって恐慌をきたし、暴れはじめるという報告もあります。
犬には、人間が感じとれないものを感じとる能力がたしかに備わっているのです。
愛犬が理由もなく騒いだら要注意ですね。
ヴィクトリア・ドロシェンコが飼っていたハーレー(ゴールデン・レトリーバー)、もその一例です。
ハーレーは病気に対する感覚が、信じられないほど鋭かったようです。
ヴィクトリアは、てんかんもちでしたが、ハーレーは彼女自身(そしてほかのだれも)が気づくよりずっと前に、発作が起こるのを知らせました。
ハーレーになぜそれがわかったのかは、謎です。
おそらくヴィクトリアの身体が変調をきたすと、わずかな動作の変化や、汗や分泌物などの匂いの変化、あるいは彼女の脳波の変化まで感じとったのかもしれません。
どうやって察知したにせよ、彼は医学の奇蹟でした。
ヴィクトリアはこう語っています。
『この犬を飼うまで、私はいつ発作が起きるかわからないので家にこもりきりでした。ハーレーは私に命をとりもどしてくれたのです』
この能力をもっているのは、ハーレーにかぎりません。
現在では『発作を知らせる犬の会』まで作られ、ハーレーとおなじような仕事のできる犬が訓練されているのです。
犬が感じとるのは、発作の前兆だけではありません。
犬にはESP(超感覚的知覚)がそなわっていて、魂の世界を感じとれるとも言われます。
ある英国の科学者は、犬が飼い主の帰宅を察知するのはこの能力のためだと考えています。
それを立証するために、彼は犬の飼い主の家に隠しカメラを設置してビデオ撮りを行いました。
ビデオカメラがとらえたのは、ほとんど犬が眠っている姿ばかりでした。
しかし、ご主人が帰宅するころになると、起き上がってドアのあたりをうろつきはじめました。
それも家の車の音やご主人の足音が、まだ聞こえるはずのないときからなのです。
ご主人が1.5キロも離れた場所で家路に向かおうとした瞬間から、すでに緊張しはじめる犬もいました。
一連の実験は飼い主が毎晩決まって帰宅する時間ではなく、週末や、いつもとちがう時間を選んでおこなわれたので、犬は単に時間に反応したわけではないのです。
『哲学者になった犬』S・コレン著より
我が家の犬達にこの様な能力は無いようですが、お宅のワンちゃんはいかがでしょう?
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