犬を卒業したオレ様が本当のことを教えよう。第2話

チャンス先生 犬と人間

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オレ様はビーグル犬をやっていた。

今は16年間の使命を終えて天使に戻っている。

第1話はコチラ

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【犬を卒業したオレ様が本当のことを教えよう。第1話】

首輪抜きのワザを使って逃げたワケ

オレ様のことを悪知恵が働くとか、

従順さがないとか、

世話係はいろいろ言うけど間違っている。

子供の世話係の教育をしていただけなのだ。

子供の世話係は発展途上だからオレ様も苦労が多かった。

オレ様の夕方の散歩は子供の世話係の仕事と決まっていたので、犬を飼う難しさを教えてやるために引っ張り回してやった。

オレ様が散歩の途中で帰りたくなって家の方向に曲がろうとしても子供の世話係は無理やり遠くまで歩かせる。

帰りたいのにはその都度ワケがあるのだ。

お腹の調子が良くないとか。腰が痛いとかいろいろ。

どうしても帰りたいときは首輪抜きのワザを使ってダッシュで家に帰る。

これを逃げたとか言うけど間違っているのだ。

なぜそこまでして帰りたいのか?

それを考えさせるために無理やり帰っていたのだ。

一緒に暮らす犬の体調に気を配ることは大切なこととわからせて、相手を思いやる心を身に着けさせていたのだ。

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盗み食いをしたワケ

オレ様は手の届くところのものは何でも食べた。

これにも理由がある。

食事の後をキチンと片付けないのは不衛生であり生活がだらしない。

こういうことから堕落が始まるのだ。(堕落は大袈裟だろう)

たった1回の片付け忘れも見逃さず、オレ様は我が身を犠牲にして食卓の上に残っているものを食べた。(実際は目を放したスキに)

これを繰り返すことで、さすがの世話係もキチンと片付けるようになった。

携帯電話やリモコンなんかも軽く噛んでやったからいつも決まった場所に置くようになった。

いつの間にか家の中がスッキリした。

問題は一番威張っている態度の大きい男の世話係だった。(仮名:パパ)

これは悪いことばかりしていた。

まず害でしかないタバコを吸っていた。

酒という頭のおかしくなる水も飲んでいた。

オレ様がこの家に来ることにした理由のトップ3の一つはタバコなのだ。

これをヤメさせるにはオレ様は命をかけた。(本当はフリだった)

パパはいつもタバコをオレ様の手の届くところに置いていた。

箱を噛んで潰したりいろいろやったが、パパは一向にタバコをヤメなかった。

オレ様は、最後の手段としてタバコを食べた。(フリをした)

そして病院に運ばれるくらい弱ってみせた。

さすがにパパは反省した。

死にそうになるほどの毒を吸っていることに気づいてタバコをヤメた。

一歩間違えば命を落とす危険な芝居は成功した。

次は酒という水だった。

パパは泡の出るビールという酒が好きだった。

たくさん飲むといつもバカになっていた。

これもヤメさせなければと思い、オレ様はコップをひっくり返して命がけで舐めた。

とてもフワフワして気持ち良くなって寝てしまった。

このビールという水だけは何度もチャレンジしたがヤメさせることができず心残りだ。

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子供の教育は重要な使命

オレ様を連れて帰った女の子(仮名:あーちゃん)の世話係は泣き虫だったので、いつも面倒を見てやった。

泣いていると涙を舐めてやったり、服を引っ張ったりして機嫌をとってやった。

引っ張りすぎてもっと泣いたこともあったが、たまにはそんな失敗もある。

あーちゃんは友達を連れてきてはオヤツを食べて放置していたので、シツケのためにいろいろ食べてやった。

チョコレートというとっても甘いオヤツを食べるとよく大騒ぎしていた。

この仕事は、あーちゃんが高校生と呼ばれる頃までオレ様は根気よく続けた。

結果として、あーちゃんはとても整理整頓できる大人になった。

これもオレ様の命がけの仕事の成果なのだ。

みんなの家の犬や猫も使命を果たすために頑張っているはずだと思う。

大事に接すればその使命がわかってくるはずだからよく観察するのだ。

おっと!そろそろ天使会のミーティングの時間なのだ。

今日のお話はここまで。

(注:タバコとお酒の部分はフィクションです。)

次回に続くのだ。(続くのか?)

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