犬の年齢の考え方
間違っていた計算方法。
当たり前のことですが、犬は人間より成長が早く、寿命がかなり短いです。
そして飼い主は自分の犬の年齢は人間の年齢に換算すると、いったい何歳に相当するのか知りたいと思うことがしばしばあります。
犬の1年は人間の一生のうちの7年にあたる、ということを聞いたことがあるかもしれませんが、じつはそれは正しくありません。
その推定方法は、人間の平均寿命が70年で、犬の平均寿命が10年と考えられていたときのものなのです。
平均寿命だけをとって、犬の1年は人間の7年にあたると、計算したのです。
この考え方の決定的な間違いは、
子犬は最初の1年で急速に成長と変化を遂げ、肉体的にも精神的にも人間よりずっと速く発達します。
先ほどの計算が正しいとすれば、1歳の犬は生理学的に7歳児に匹敵することになります。
しかし、1歳になった犬は子供を生むことができ、そのために飼われている犬の多くは1歳になる前に去勢または避妊手術を受けています。
一方、子供が産める人間の7歳児など聞いたことは無いはずです。
人生の終盤について考えたときは?
12歳の中型犬を例にすると、関節障害などを持っていない限り、高齢ではあってもかなりしっかり動き回ることができます。
犬の1年が人間の7年に相当するという考え方だと、12歳の犬は単純なかけ算で人間なら84歳になります。
84歳の老人と、まだ機敏に動ける12歳の中型犬とが同じ年令なのはおかしいでしょう。
そこで、現在の科学的見地に従って計算をやり直してみました。
犬は1歳になった時点で、人間ならば16歳に等しい身体能力を持っています。
2歳になると、人間で言えばおよそ24歳です。
続く3年間(犬が5歳になるまで)は、1年ごとに人間の5年分歳をとります。
ところが、5歳の誕生日を迎えると、もう一つ別の変数を考慮する必要があります。
一般的に大型犬の方が、小型犬より寿命が短い。
この違いは、犬の年齢が5歳を超えたころから重要になってきます。
小型犬なら1年ごとに4歳分加わります。
中型犬なら1年ごとに5歳分加わります。
大型犬なら1年ごとに6歳分加わります。
12歳の犬を例にすると、
2歳で24歳
5歳までの3年間は、1年で5歳年をとりプラス15歳で39歳
ここまでは小型犬、中型犬、大型犬、同じです。
6歳からの7年間を加え合計すると、
小型犬は6歳から1年ごとに4歳分加わわるので残り7年で28歳プラスとなり67歳。
中型犬は6歳から1年ごとに5歳分加わわるので残り7年で35歳プラスとなり74歳。
大型犬は6歳から1年ごとに6歳分加わわるので残り7年で42歳プラスとなり81歳。
この計算式はたいていの場合あてはまりますが、個々の犬がどれくらいのスピードで歳をとるかは、生活環境、食事、運動、その他の要因が関係してくるので、あくまでも目安と考えてください。
『犬と人の生物学』スタンレー・コレン著 より引用
犬年齢の換算表
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