チャンスと名付けたビーグルに救われた話。

犬と人間

 

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これは1999年に生まれ2016年7月に16歳9ヶ月の生涯を終えたビーグル犬、チャンスのお話です。

 

チャンスは娘の希望で我が家にやってきました。

 

当時6歳だった娘がビーグルが欲しいと言い出したのがきっかけです。

 

タイミング良く近所の大学でビーグルの飼い主を募集しているチラシを目にしました。

 

大学へ見学に行くと繁殖実験で生まれたうちの最後の売れ残りが一匹居ました。

 

明らかに子犬らしくないキツイ顔。(可愛くない)

 

生後2ヶ月というにはあまりにも大きい子犬でした。

(多分売れ残って2ヶ月くらいサバ呼んでいたと思われる)

 

それでも娘は、お年玉の15000円を全部使っていいから連れて帰ると言って聞きません。

(引取料として15000円となっていました。)

 

仕方ないので連れて帰ることにしました。

 

子犬と呼ぶには大きなビーグル。

 

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それでも子犬が手に入った娘は大喜び。

 

そのまま買い物をして帰るので、娘は車に残り子犬の面倒を見ることになりました。

 

私が車に戻ると娘がワーワー泣いてます。

 

娘が髪をまとめていた赤いボンボリに子犬が噛み付いて振り回したらしいのです。

 

念願の子犬との暮らしは泣かされるところから始まった娘でした。

 

子犬には最後まで売れ残っていたので、チャンスをもらったという意味でチャンスと名付けました。

 

(これは後にとんだ思い違いだったことに気づきます。)

 

犬を飼うのは初めて。

 

しかも、シツケにくいビーグル。

 

少しは犬のことを調べてから飼うべきだったと思いましたが、あとの祭りでした。

 

子犬がシツケを受け入れて落ち着くまでは、どんな犬種でも大変手間がかかります。

 

悪戦苦闘しながらも、チャンスはトイレを覚え、散歩もなんとか一緒に歩けるようになりました。

 

2歳くらいになるとかなり落ち着きましたが、まだまだ大変でした。

 

  • 散歩中の拾い食い。
  • 家では盗み食い。
  • スキを見せると脱走。
  • 自分の行きたいところを散歩しないと首輪を抜いて逃走。(勝手に家に帰っている)

 

人間が食事を始めると自分も食べたくて全力で吠える。もらえるまで吠える。

 

ビーグルは森のなかで獲物を追い詰めると吠えて飼い主に教えるのが本来の仕事ですから、森の鈴と言われるほどの音量です。

 

とにかくなにか要求があると吠えます。

 

とてもウルサイ。

 

自分の要求は吠えると叶えられると思ってしまったので、無視することにしました。

 

家族全員で吠えても知らんぷり。

 

徹底的に無視。

 

吠えなくなったらゴハンをあげる。トイレ、散歩など要求を聞いてあげる。

 

1ヶ月くらい続けると効果が出てきて、やたらと吠えなくなりました。

 

ビーグルは血統にもよるでしょうけれど、スヌーピーのモデルになったように見た目は可愛いのですが、癒やしを求めて飼うと失敗します。

 

近所の老夫婦が見た目でビーグルを飼い、大声で吠えるし、言うことは聞かないしで、全く癒やしにならず逆にストレスになるとこぼしていました。

 

チャンスの場合は、悪いこともしましたが、元気な子供たちの遊び相手にもなって一緒に育ったので良かったのでしょう。

 

子犬の頃のチャンスは脂漏症でいつも身体がベタベタしていました。

 

耳も汚れて何度病院へ行ってもすぐに汚れてとても痒がっていました。

 

当時、犬に関して全く無知だった私は友人からとても安いドッグフードを売っているお店を教えてもらい買いに行きました。

 

10キロ2000円くらいでドッグフードであればなんでも良いと思っていました。

 

そのとても安いドッグフードを買おうとしていると店主に無添加の良いドッグフードがあると勧められたので、少し高いとは思いましたがチャンスに食べさせることにしました。

 

あとになってわかったのですが、16年前には無添加の安全なドッグフードは少なく、安価な物には、よく聞くメーカーでも危険な農薬と同じ成分の入ったものが当たり前の時代でした。(現在もある)

 

チャンスはその無添加のドッグフードを食べ始めて1ヶ月もすると脂漏症と耳の汚れ痒みがキレイに無くなりました。

 

それで食べ物が原因のアレルギーだったと気づきました。

 

そして同じように困っている犬と飼い主さんが全国にたくさん居るだろうと、そのドッグフードのネット販売を始めると、予想通りチャンス同様、愛犬の食物アレルギーに困っていた飼い主さんが買ってくださいました。

 

チャンスが3歳になった頃、フラットコーテッドレトリーバーの子犬を迎い入れました。

 

すると体格で勝っているチャンスは毎日ティアラをイジメて泣かせてましたが、ティアラは大型犬なのであっという間にチャンスの倍ほどの大きさになり立場は逆転しました。

 

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だけど2匹はケンカしながらも仲良く暮らしていました。

 

2匹で歩いていると毛艶の良さを褒められるのが嬉しくて毎日のブラッシングや健康に良いと思われるサプリメントや果物などをいろいろ与えておりました。

 

当時は世の中にブログサービスが普及していなかったので2匹の成長記録としてホームページにチャンスとティアラの記事を載せていました。

 

いつの頃からかチャンスの変な顔が気に入られて読者の方も増えたと思います。

 

チャンスも10歳を超えてシニアになり顔も真っ白になったころ、フラットコーテッドレトリーバーのココも加わりチャンス先生と呼ばれるようになりました。

 

チャンス先生は、少し人気者になりました。

 

雑誌にも長生きビーグルとして載せていただきました。

 

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長生きしているチャンスとティアラの食べているドッグフードを買ってくださる方も増えました。

 

チャンスという犬はビーグル犬を飼う難しさを教えてくれました。

 

  • 家庭犬に向かない犬を飼うと人によっては不幸になる。
  • 犬は思っていたより人間の様子を観察していて賢い。
  • 決して従順な犬種ではない。(ティアラが来てわかった)
  • でも、大切に思ってくれている人はわかる。
  • 人の気持は理解している。

 

自分勝手、好き勝手に生きていると思ったチャンスが実は人の気持ちがわかる犬だと思った出来事がありました。

 

少し遠出をしようと10万円ほどの現金を用意していた家内が出かける寸前にその10万円をどこにしまったのか忘れてしまいました。

 

部屋の中のどこかにあるのはわかっていても見つけられません。

 

1時間ほど部屋を引っ掻き回して必死に探しても見つからないので出かけることも出来ず、ほとほと困っているとゴチャゴチャにした布団などを乗り越えてチャンスがやって来ました。

 

何をしに来たのかと思ったら困り果てている家内の横に座り、困った顔をしてタメ息をついたのです。

 

かなり険悪ムードになっていた雰囲気が笑いで和らぎました。

 

家族として一緒に困ってくれたらしいのです。

 

ダレがチャンスだったのか?

 

売れ残ったチャンス自身が一番のチャンスをもらったと思ってきましたが、実は違いました。

 

サラリーマンを続けていた私が年収の大幅アップという条件付きで同系列の会社に異動したときのことです。

 

うまい話には裏があるもので、その職場を前任者が辞めた理由は職場全体からのパワハラでした。

 

当然、私も同じことになり自分でも頭が少しおかしいと感じ始めたときに脱サラという手段を作ってくれたのがチャンスでした。

 

チャンスという犬を飼いドッグフードを販売するという副業があったことで救われました。

 

あのまま耐えていたら良くない結果が待っていたと思います。

 

まさにチャンスが私に生き延びるチャンスをくれたのです。

 

ビーグルのチャンスはフラットのティアラと違い、好きな人でも寄り添ったり甘えたりはしませんでしたが、行動に出さないだけで、感情は十分過ぎるほど持っていたと思います。

 

チャンスとティアラは幼い頃は、一緒に遊び、一緒に寝て、とても仲が良かったのですが、シニアに近づくにつれ別々に過ごすようになっていたので、お互いの関係も希薄になっていると思っていました。

 

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13年間連れ添ったティアラが悪性腫瘍になり、ついには立てなくなり食欲もなくなってきたとき、チャンスは執拗にティアラにまとわりつき、ティアラのゴハンを横取りするフリをしました。

 

怒ったティアラはチャンスに取られまいと必死に食べていました。

 

やがてティアラが何も食べられなくなってもチャンスはティアラにまとわりつき怒らせていました。

 

言葉で頑張れと言わないだけで、ティアラに元気になって欲しかったのだと思います。

 

どんなに怒らせて応援してもティアラが良くなることはなく、わずかな闘病で空に昇ってしまいました。

 

ティアラが居なくなってからのチャンスの沈み様は痛々しいほどでした。

 

それほど仲良く見えず、態度に表さないだけで深いつながりがあったのだとわかりました。

 

チャンスはティアラの後を追うように2ヶ月後にあっけなく空に昇ってしまいました。

 

チャンスは手間のかかる犬でしたが、私は毎日チャンスたちの写真を撮り、チャンス先生、ティアラ姉さん、ココちゃんというキャラクターのブログを作り反響をいただくのが本当に楽しみでした。

 

10年以上もブログを続けられたのはチャンスの楽しい表情のおかげであり、それを見てくださった方々のおかげです。

 

そしてなんとか生活してこられたのもチャンスという犬が我が家に来てくれたおかげでした。

 

ありがとうチャンス。

 

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(なぜこれを書こうと思ったのか自分でもわかりませんが、偶然にも今日はチャンス17歳の誕生日でした。)

 

とりとめもない文章を最後までお読みいただき

ありがとうございました。

 

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